ペルシャ絨毯の歴史
ペルシャ絨毯の発祥は、少なくとも3000年~4000年前と考えられていますが、正確には起源は解明されていません。
現存する最も古い絨毯は、ロシアのサンクト・ペテルブルグのエルミタージュ美術館に保管されている「パジリク絨毯」という絨毯で、南シベリア・アルタイ地方のパジリクという都市にある王家の古墳から発掘されたものです。
この「パジリク絨毯」のデザインが、ペルシャ最初の王朝である「アケメネス王朝期」のデザインと酷似していたことから、ペルシャが源流ではないかという説がありましたが、近年では、考古学的視点からの研究の結果、「中央アジア付近でつくられたものではないか」という説が有力となっています。
ペルシャ絨毯の発展
1860年代、イランではペルシャ絨毯の生産が盛んになります。
その後、イスファハン・タブリーズ・カシャンなどの交易が盛んだった伝統的な都市から、クム・ナインなどの後発産地とよばれる地域まで、多くの地域でペルシャ絨毯産業は発展していきました。
また、生産地域の拡大により、遊牧民族が生活する西北部・北部などの地域では、都市部で生産されるものとは異なり、温かい風合いのある抽象的なデザインで、ヨーロッパなどで評価されました。
日本とペルシャ絨毯
古来日本では、中国を経由して、工芸品のひとつとしてペルシャ絨毯が渡っていたといわれています。
また、絨毯が本格的に日本に入ってきたのは17世紀以降、異国の文物として豪商達が買い求めたといわれており、京都祇園祭の際の鉾の掛装にもかつてペルシャ絨毯が多く用いられていました。
その他、京都の高台寺にはペルシャ絨毯を裁断して作られた豊臣秀吉の陣羽織が残っています。
ペルシャ絨毯のお手入れ方法
大切な絨毯を長く、よりよい状態でお使いいただくために、ペルシャ絨毯のお手入れ方法をまとめました。
時には、プロによるクリーニングや修理が必要な場合もございます。
弊社では、クリーニングや補修のアドバイスなども承っております。
例えば、房の復元・本体の穴も完全復元もいたしますので、お気軽にご依頼下さい。
お手入れのポイント
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日常でのお手入れ方法
日々のお手入れは、絨毯の毛向きにそって掃除機やほうきなどでごみやほこりを取り除いて下さい。尚、掃除機を使用する際には房を傷めてしまわないように注意してください。
また、ペルシャ絨毯は湿気に弱いため、風通しのよい場所で定期的に陰干しをし、軽く裏面をたたいて生地の間に詰まったごみなどを取り除いてください。 -
汚れてしまった時の対処方法
液体などをこぼしてしまった時は、乾いた布でたたくように水分を取ります。濡れた布や洗剤などを使用すると、状態が悪化する場合がございます。
しみや色のにじみなど、取り除くことのできない汚れがある場合は、クリーニングや補修が必要なため、お気軽にご相談・お問い合わせ下さい。 -
長期間使用しない際の保存方法
基本的には、ペルシャ絨毯はお使いになられるのがベストです。
しかし、やむを得なく長期間使用しない場合は、円筒状に丸め、日の当たらない場所に寝かせて保管して下さい。
また、ペルシャ絨毯は湿気に弱いため、除湿対策も心がけて下さい。